2020年8月4日
2019年9月のスペイン旅行では、初めてのバスク地方への旅をビルバオからスタートし、ゲタリア、サン・セバスチャン、オンダリビアと回りました。その中で、事前にはさほど期待していなかった、1泊だけの小さな港町・ゲタリアがとってもよかったので、ご紹介したいと思います。
ゲタリアはビルバオとサン・セバスチャンの間にある港町。特にロダバージョ(イシビラメ)の炭火焼きが人気なのですが、海沿いの気候を生かし、美味しいワインナリーも点在しています。中でもチャコリという微発砲ワインがこの土地の名物で、冷えたチャコリを飲みながらカレイをいただくのが最高です!
ビルバオからはレンタカーを借りたので、1泊することに。そうしないとせっかくのワインが楽しめません。町中にもホテルはありますが、丘の上にある「サン・プルデンツィオ(SunPrudentio)」に泊まることにしました。ブドウ畑の中にあり、その景色のいいこと。家族経営のようで、アットホームな感じがとてもよく、その居心地のよさに、着いたとたん、ここに連泊すればよかった! と思ったほどです。
どうしても海外旅行は駆け足になりがちなので、郊外で数日のんびり過ごすというのはとても贅沢ですよね。
ホテルから町までは歩いて15分くらいよ、と言われたので、そのくらいならと思い歩き始めましたがなかなか着かない。結局30分くらいかかりました。どうやら向こうの人はなんでも「フィフティーンミニッツ」というようで、その点はご注意を!
それでも町までの道は楽しくて、途中羊の群れを見かけたり、ポニーがいたり、咲き乱れる野の花もかわいらしく、自然を満喫することができました。
町中にはいくつかレストランがあり、店先で魚を焼いています。もうその匂いだけで、興奮マックス。「エルカノ(Elkano)」が一番有名なのですが、残念ながら予約で満席。でも、港を見下ろせる眺めのいい「カイア・カイペ(Kaia-Kaipe)」に入ることができました。海風を感じながら食事ができるので、天気がよければこちらがオススメです。できれば予約も。
でっかいロダバージョはボリュームがあり、還暦前後の我々としては、それだけでも十分な量。あれもこれも食べたいのに、そこは悔しいところです。その日のオーナーのオススメのエビのフリットが思いがけず美味しく、これまた感激ものでした。今思い出しても食べたい・・・。チャコリもいただいて、火照った頬に当たる潮風が気持ち良く。
港に沿って奥のほうにいくとポツンとアンチョビの直営ショップ「マイソール(Maisor)」があり、そこで食べた(味見した)カタクチイワシのオイル漬けも絶品でした。冷蔵品なので、1~2日しか持たないらしく、日本に持ち帰れないのが残念。ぜひ、現地でバゲットにのせて食べてみてください。
ホテルのことをもう少しご紹介しておきます。
ここは、食事をするスペースにキッチンがついていて、自分で電子レンジなどで調理して食べることもできます。飲み物はもちろんのこと、生ハム、チーズ、トマトなどの野菜類、パンなどもあります。使った分は自己申告。オーナーたちがいれば、「うちで作ったワインよ、試してみる?」などと声をかけてくれることも! そんなコミュニケーションも楽しいものです。
海外の食事は量が多いので、レストランに通っていると食べつかれてしまうことも。でも1食たりともムダにはしたくない・・・。そんなときのお腹の小休止にもぴったり。
9月はまだ日が長いので、テラスでブドウ畑越しに見える海の夕焼けを見ながらワインを傾けるというのも、なかなか素敵でした。
朝ご飯は奥さんが焼いてくれたパンやパウンドケーキなどが並び、種類も多くてこれも満足。卵は希望に応じて料理をしてくれます。
そのあとは、ワイナリー見学で、「ガインツァ(Gaintza)」へ。ホテルに相談したら予約をしてくれました。参加者は20人くらいでしたが、オーナーのアツイしゃべりに引き込まれ、楽しい時間になりました。英語で、ゆっくり話してくれるので、わかりやすかったです。
最後は試飲。チャコリは空気にふれさせるために、高いところからグラスに注ぎます。ここでも昨日のカタクチイワシがおつまみで出て、やっぱりおいしい。見た目はなんてことないんですけどね。チャコリの3本セットをお土産に買いました。
オーナーは、日本でもビジネスをしたいと言っていましたが、さて、どうしたでしょうか。どこかで見つけたら、ぜひ思い出して飲んでみたいと思います。
E.S