2025年8月22日
世界で最も美しい美術館として、今、注目を集めている美術館が日本にあることをご存じでしょうか?
ユネスコは世界的な建築賞「ベルサイユ賞」を創設し、世界で7つの美術館を選出しました。そして2024年に最優秀賞を受賞した、まさに「世界一」の美術館が広島県大竹市にある「下瀬美術館」です!
最近家庭画報やRichesse(リシェス)などのラグジュアリーマガジンで取り上げられていることが多いので、気になっていました。
水に浮かぶカラフルな建築物、それが美術館の展示室です。
あの山形・水田テラスを設計した坂茂氏によるもので、コンセプトは「アートの中でアートを観る」。とにかく実際に見ることが大事。ということで行ってみました。
場所は広島県大竹市。JR大竹駅からは無料シャトルバスが運行されています。
運行期間や時間はシーズンにより異なり、また注意事項もありますので、必ずHPでご確認ください。また併設のSHIMOSE ART GARDEN VILLAに宿泊していただく場合は、弊社では送迎をご用意いたします。
今回はJR山陽新幹線を利用し、新岩国駅下車、駅までお迎えいただき専用車で約30分。臨海公園や工場、郊外型大型店舗の立ち並ぶ一画にあります。
ミラーガラス・スクリーンのエントランス棟に入ると傘型の構造になっており、木のぬくもりを感じます。ガラス越に水盤が見え、あの有名なカラフルな展示棟が浮かんでいます。さらに海がひろがり、ショップやカフェにいるだけで、気持ちがゆるゆるとしてきます。本当にぜいたくな空間です。
水盤の上の稼働展示室は瀬戸内海の島々から着想を得ているとのこと。
なるほど、美術館展示棟、宿泊棟(VILLA)、レストラン棟などの建物は、景観と調和するように並び、正面に見える海との一体感が素晴らしいです。
展示棟とVILLAの間にはアール・ヌーヴォーを代表するエミール・ガレの作品に登場する植物が植栽された庭園があり、季節に合わせて入れ替わる花々が鮮やかです。なだらかな坂をやさしい風に吹かれながらのぼりきると、目前には「海と瀬戸内の島々」が広がります。まさに海に囲まれた日本を再認識する美しい景色です。
ちょうど世界遺産宮島の裏側にあたる敷地内にある宿泊施設は、坂氏の作品で構成された「森のヴィラ」とキースステックの家と呼ばれている「水辺のヴィラ」がエントランス棟を挟んで両サイドに建っています。「森のヴィラ」は「壁のない家」「紙の家」「十字壁の家」「ダブルルーフの家」「家具の家」5棟で、それぞれが全く異なった、独創的な空間を作り出しています。建築に興味のある方には絶対お勧めです。
「水辺のヴィラ」はガレの庭園沿いに海に向かってテラスがある5棟。それぞれ風呂が檜だったり、十和田石だったり、和のしつらえであったり、少しずつ内装が異なるものの、広さや備品などはほぼ同じで、開放感のある、すっきりとしたデザインの心地好いヴィラです。
エントランス棟やレストランへは基本、徒歩ですが、カートの用意もあるので、スタッフに声をかければ、すぐ用意して下さるので、各部屋や施設への移動も非常に楽です。
フレンチレストランではランチ、デイナー、そして宿泊者の朝食が用意されます。
正面に海が広がる解放感、ゆったりとしたテーブル間隔、オープンキッチンですが入口側にあるので目障りではありません。ワインの品揃えもかなりなものです。
広島の山のもの、海のもの、地産地消のメニューで味覚を楽しませてくれます。
下瀬美術館&SHIMOSE ART GARDEN VILLAへの旅は、まさに五感で楽しむ。
視覚(美術作品を鑑賞する)、聴覚(波の音や小鳥のさえずり、風にそよぐ木々の声を聞く)、触感(テラスで海風を肌に感じる)、味覚(フレンチレストランで広島のとれたてを味わう)、嗅覚(潮の香やガーデンの花の匂いを嗅ぐ)に加えて、芸術や自然の中でのリラクゼーションを堪能できる、久々に感動した旅。
ちなみにボートをプライベートチャーターして宮島に行くこともでき、海からのぞむ厳島神社も格別なものでした。東京から下瀬美術館へ行きVILLAで1泊、翌日は世界遺産の厳島神社や宮島を散策し、その後広島市内で原爆ドームや資料館を見学することもできます。
ご興味のある方はぜひお問い合わせください。