2021年8月30日
五島列島北端に浮かぶ小さな島、小値賀島は島全体が西海国立公園に指定される美しい島です。
ここには有名な観光地はありません。自然と共生する人々の日常、懐かしく感じる日本の原風景。
ぶらぶらと歩いていると、ほっこりとした気持ちになる島です。
飛鳥時代に建てられたこの地の神嶋神社は、対岸の野崎島にある沖の神嶋神社と対になっています。
創建の年や遣唐使船の航路から、遣唐使船団の航海の安全を祈って創建されたとも言われています。
海に向かって並ぶ印象的な鳥居は、海を越えた先の沖の神嶋神社の鳥居に繋がっています。
鉄分を多く含み、砂も砂利も赤い赤浜海岸は小値賀島が火山だったことを表しています。
赤浜海岸公園は上から赤浜海岸を眺められますが、海岸まで降りるとこの赤い砂を間近に見られます。
小値賀島と橋でつながる斑島。見所はポットホールとサンセットポイントです。
玄武岩の裂け目の穴の中に、直径50センチの玉石が入っていて、
波をかぶり黒光りして回転する石は「玉石さま」と呼ばれ、信仰の対象になっています。
斑島の西側では美しいサンセットを眺められます。
島内の移動はレンタカーかレンタサイクル。
レンタサイクルだと町から約40分です。日没後は真っ暗になりますのでご注意ください。
ちょうど日の出のころ、早朝から漁に出ていた船が次々に戻ってきます。
港に着くと製氷場から船へ長いホースで大量の氷を詰め込み、自分の船着き場へ向かっていきます。
きびきびと動く海の男たちは輝いています。
小値賀島は路地が楽しい。漁師町らしく魚の形をした貝をデザインしているモダンな石塀、
鹿をデザインしたマンホール、何の警戒もなくくつろぐ猫。懐かしい風景がそこかしこにあります。
数少ない町の食堂、カフェで美味しいものを見つけました。
港の目の前にある「おと家」はちゃんぽんがおすすめ。長崎らしく、皿うどんもメニューにあります。
路地裏のかわいらしいカフェ「tan tan」では、コーヒーや紅茶、そして焼き菓子などでほっと一息つけます。
私のおすすめはストロベリーシェイク。歩き疲れた体も優しい甘さで復活します。
小値賀島へ行くには、佐世保からフェリーや高速船、上五島から高速船、福岡からフェリーとすべて海路。
台風や時化の影響を受けると高速船は欠航しやすいので、フェリーでの移動を考えておくのがおすすめです。
五島列島の旅は上五島・下五島にとどまりがちですが、ぜひ、小値賀島の素朴さも楽しんでください。