2021年1月21日
古民家で検索すると物件の案内やリノベーションの費用、また、古民家再生プロジェクトなど、たくさん出てくる。
以前は日本の田舎暮らし体験という観点からインバウンドマーケットに人気があった。
しかし、今のコロナ渦では、海外からの観光客滞在が見込めない。
そこで、たまには田舎でのんびりしながら仕事をしよう。というわけでリモートテレワークの場所として紹介され、人気が出てきたようである。
というわけで、山梨の山村にある1つの古民家に行ってみた。
NIPPONIA 小菅村
700人足らずの村を一つのホテルに見立て開発。「村人の一人のような滞在を」の
キャンチフレーズでマスコミでも何度も紹介されている「小菅村」
中央自動車道・大月インターから山道を運転すること東京から約2時間、奥多摩駅からバスもでている。
ここは歴史的建築物を活用し、その地域の文化をクローズアップ、住民とのコミュケーションを大切にして、持続可能なビジネスをめざし、全国展開しているNIPPONIAの施設の
1つである。
宿泊できるのは、旧家の邸宅を改築した「大家」と崖の上に建つ「崖の家」
大家は母屋に3部屋と表門の左側の土蔵を改装した離れが1部屋。計4部屋.
今回はその中の1つ、庭に面したOHYA1に滞在。
門をくぐって手入れされた中庭越しに見えた母屋は、確かに田舎のおばあちゃん家に来たような雰囲気があった。
母屋をはいると土間がひろがる居間になっておりそこがフロント、ロビー、ラウンジの役目をしている。
神棚もあり、昔の日本家屋にあった家具も並ぶ中に、モダンなテーブルやクッションがしつらえてあり、照明も洗練されている。
それが整然としすぎていて、ちょっと田舎の温かみに欠けているような気もした。
都会から来た若者にも、受け入れられるような工夫はあったが、まったくの田舎家というわけではない。中二階への階段や段差も結構あるせいで、子供に、はしゃぎまわられては、危ないという観点か、カップル向きにするためか、宿泊には中学生以上という制限がある。
今回は一番大きな部屋(4人宿泊可能)に滞在。
寝室は一階と中二階(屋根裏部屋)にベッドはそれぞれ2台ずつ。
1階には寝室の他、リビング(テーブルとイス4脚のみ)、バスルーム、広縁があり、
昔の作りを感じさせる為か、照明が全般的に少なく、ちょっと暗く重い感じがした。
やはりカップル向けで、とにかく落ち着いた大人の雰囲気を醸しがしていることは確かだ。
ダイニング(レストラン)も、たとえばテーブルセンター、ランチョンマットなどに地元の織物(またはおばあさんが端切れで作ったもの、編んだものなど)を利用するとか、陶器の花瓶に野の花をさしてテーブルに置くとか、もう少し彩が欲しかった。
食事はもちろん地産地消なのだが、山村の食事の場合、どうしても、豆(豆腐)、きのこ、山菜などで花がない。最後に土鍋炊き込みご飯が出てきた時は「わー」という歓声も聞こえたが、もう少し小菅村ならではの魅力を食したいものだ。
村の広場にある温泉浴施設が大浴場、土産販売の売店がある道の駅がラウンジという設定で村全体をホテルに見立てているようだが、さらにいろいろな施設を増やして点と点が離れすぎないようにしてほしい。
村の人が案内してくれるちょっとした夕暮れ散歩や貸出自転車でまわる村巡り、などのアクテイビティもあったが、ふれあいを感ずるまでには至らなかった。
NIPPONIAの場合は確かに空き家になった家の再生ではあるが、庄屋や酒蔵、醤油蔵などの大商人の母屋などの古民家ばかりでなく、駅舎もあれば、洋館もある。
小菅村のような山村あり、港町あり、地方の街あり、いろいろなエリアで展開しているので観光なり、田舎暮らし体験なりの目的に応じ、施設のシチュエーションをしっかり理解した上で選ぶことをお勧めしたい。
次回は離島小値賀島の古民家をご紹介。
<小菅村・古民家に宿泊するモデルプラン>