2020年6月11日
今回のフランス・ガストロミーの最終目的地“ル・カステレ”へ向かう。
スイス国境に近い、オート・サヴォア地方からスタートし、オーヴェルニュ・ローヌ・アルプとフランスの中心を巡り、いよいよ太陽の陽が眩しく降り注ぐ「プロバンス」へ。
緑豊かな中で“マルク ヴェイラ”の味を楽しみ、“メゾン・ピック”では女性シェフの繊細で華やか、そしてきめ細かな料理を堪能。
⇒” ラ メゾン デ ボア – マルク ヴェイラ ” の訪問記はこちらから
これから目指すは、海の幸とプロバンスの食材を生かした、今、最も注目されているシェフ、クリストフ・バッキエの世界だ。
ヴァランスの町を出て、まず向かったのは、ローヌ地方の代表的ワイナリー「シャトーヌフ・デュ・パプ」。
ローヌ地方のワインの中では、歴史もあり、優れたワインと言われている。
ワインティスティングと畑を見て、眼下にプロバンスの地形が広がるレストランで軽くランチ。その後、さらに南下し地中海を目指す。マルセイユを抜ければカステレまで約1時間。
まだ陽の高いうちに“ル・カステレ”に到着。
広大な敷地のガーデンに腰を下ろし、午後のひと時を過ごす。
鮮やかの緑の向こうには地中海。
プロバンスは、華やかなコート・ダジュールとは違って、雄大な自然と素朴さを残す町が多い。
クリストフ・バッキアのディナーの始まり。
アミューズの演出もこの地らしさが出ている。
プロバンス野菜と蛸の前菜。白い皿に飾られ色鮮やか料理が食欲を誘う。
エビには濃厚なソース。メインの鱸は絶妙な火の入れ具合とキノコの風味豊かなソースがベスト・マッチング。
デザート前のチーズも豊富に用意され、チーズ好きには、たまらない。
デザートも食べ終わった時、メートルから「シェフがキッチンでお待ちしています。」と声がかかり、食事の最後に、シェフと料理談義。時がすぎるのを忘れてしまった。
プロバンス滞在の楽しみは、3ツ星レストランだけにあらず。
2日目は、エクス・アン・プロバンスの街中散策。
果物、野菜、花など色とりどりなマルシェを見て、セザンヌの絵画の世界を巡り、
そしてここまで来たら見逃せない複雑な入江をつくるカナンクを船でめぐる体験。
午後のひと時、海風をうけながらのクルージングは格別。
フランス中央部を東から南への旅は、マルセイユで終わりを告げる。
次の目的地を思案しながら、帰国の途についた。
– Travel Designer 沼能 功