2020年6月10日
コロナ・ウィルス後の旅行スタイルは今までとは少し変わってくると思われる。
今まで以上に大自然で過ごすか、大都市観光から地方の小さな町めぐりなど。人が多く集まるところは敬遠されるであろう。
近年、世界中で啓蒙されている“サスティナブル(持続可能)”がもっと見直されてくるに違いない。
そうしたことを踏まえて、今まで訪れた地域の中で、「ここはお薦め」と思われる場所を紹介したい。
2016年11月初旬に訪れた南西フランス。
モンペリエから始まり、カルカッソンヌ、アルヴィ、ロカマドール、ベルジャック、ペルグー、ボルドーにぬけるコースだ。
この地方は“フランスの最も美しい村”が一番多く登録されているエリアだ。
中でもお勧めは、鮮やかな紅葉の景色がとても印象的なラカーブ。
ここにルレ・エ・シャトー“シャトー ドゥ・ラ・トレイヌ”がある。
ドルドーニュ川を渡る橋からは、シャトーの風景が川面に映り、その光景は筆舌に尽くしがいほど美しかった。
真っ白な城が周りの風景にとてもマッチしていて、まるで貴族の館だ。オーナー婦人に迎えられシャトー全体を案内してもらいながら部屋へ。
シャトーホテルの特徴は1つとして同じ作りの部屋がないことだ。アメリカンスタイルの大型チェーンホテルのように、全ての部屋が画一的でなく、一部屋一部屋の広さ、大きさ、色調、家具など、何一つ同じものはない。ベッド、ソファ、テーブル、カーテン、花瓶にいたるまで、それらの供えられた部屋は、まるで中世の世界にタイムスリップしたようであった。
今回は、川に面したテラス付の部屋で、眺めが素晴らしかった。
夕食まで、シャトーの周りをゆっくりと散策。ガーデンも手入れが行き届き、喧噪の世界から離れ、自然の中で身も心もリフレッシュできる空間であった。
ルレ・エ・シャトー加盟のホテルだけあって食もまた楽しみ。
重厚な雰囲気のレストランの特徴は、どちらかといえばクラシックなフレンチ。
ディナーを終えて、サロンで過ごす時間もまた楽しい。
翌日は、ロカマドールで気球に乗り秋のドルドーニュ地方遊覧を予定していたが、天候の関係で気球は断念。かわりにドルドーニュ川を船でのぼることになった。
オクスタニ―(ミッド・ピレネー)地方を中心に次はラスコーの遺跡などを見て、ボルドーに向かうルートだ。
– Travel Designer 沼能 功