2020年5月29日
ロンドン滞在で一日時間がとれたので、
あの有名な「オリエント急行」の姉妹列車「ブリティシュ・プルマン」に乗って、アランデル城の一日観光へ出かけることにした。
朝8時30分の出発で少し早めにホテルを出て、ヴィクトリア駅へ向かう。
専用のチェックインカウンターが設けてあり、名前と列車のヴァウチャーでチェックインが出来る。
日曜日運行の為か、友人同士や家族づれの利用客はドレスコードを守った紳士淑女が多く、参加の人々と一緒に出発をまっていると、なんだかワクワクしてきた。
乗車のアナウンスとともにそれぞれの車両へ。正装したスタッフが乗車口で待ち構えてくれる。
乗車してまず感じたのは、歴史の重さ。
1920年代に運行されていたビンテージ列車内は、当時のラグジュアリーな調度品に溢れていた。
昔のまま、しかし入念に手入れが届いているので、重厚でありなから煌びやかさを残している。
まずは、“ベリーニ”がサーブされる。
ベリーニは、イタリア・ヴネチアの“ハリース・バー”発祥のカクテル。
オリエント急行の起点であるヴェネチアに、ちなんでのウェルカム・カクテルかと私が勝手に思っただけかもしれないが、
もしそうだとしたら、なんとも粋な計らいではないだろうか。
続いて朝食がサーブされる。イギリスの田舎の風景を眺めながら、ブレックファストを楽しむ。
なんと優雅な朝なのだろうか。
ロンドンから南下すること約1時間、列車は目的地に到着。
下車後、バスで向かったのは、フィシュボーンローマ古代遺跡。モザイクの床が素晴らしい。
その後、さらにバスで移動した先にアルンデル城。
あまり知られていない城からかもしれないが、英国ならでは雰囲気を醸し出している。
時間制限なく、ゆっくり見てまわれた。
アルンデル城は、11世紀末に建てられた城で、1000年近くノーフォーク公とその先祖の邸宅で、現在も伯爵が住んでいる。
いろいろな時代の邸宅が残っていて時代の重みを感ずる。手入れの行き届いたガーデンは、心のオアシス。
なにもしない時間、それが貴重かもしれない。まわりの街並みは、小さなイギリスの田舎町で、とても和む風景だ。
そろそろ帰りの時間だ。
暮れゆくイギリスの風景を眺めながら、デイナーをとり、ロンドンに戻ったのは、21時30分頃だった。
イギリスの田舎をノスタルジックな豪華列車の旅。たった1日でも心が癒され、素晴らしい時間をすごすことはできた。
– Travel Designer 沼能 功
ブリティッシュプルマン の詳細はこちらから