2020年6月12日
ビルバオとサンセバスチャンの丁度真ん中、山間部にひっとりと佇むレストランがある。
ここは、世界中のシェフが注目し、遠回りしてでも是非訪ねたいレストランである。
朝ビルバオを出発して、ピカソが描いたことで有名になったゲルニカに立ち寄り、ランチの時間をめがけて
アクスペの“アサドール・エチェバリ”へ向かう。
⇒“アサドール・ エチェバリ ”を訪れるモデルプランはこちらから
オープンには少し時間があったので、ゆっくり車を走らせ高台にあがってみると、
緑豊かで時が止まっているかのような静けさに包まれていた。
いよいよ待ちに待ったランチの時間、レストランに着く。
メニューはなく、飲み物以外はシェフのお任せ。
2019年には、レストラントップ50で第3位にランクされ、年々評価があがっている。
スペインと言えば、すでに閉まってしまった“エル・ブリ”や、このバスクにある“ムガリッツ”など鬼才なシェフが多いが、
“アサドール・エチェバリ”は、素材の味をそのまま生かした料理が特徴である。
オーナーシェフ ヴィクトル・アルギンソニス氏は炭火の調整で料理をひきたたせるマジシャン。
一皿一皿、新鮮な食材の味が、火をいれることにより濃縮されたものに変わっていく。
トマト、モッツァレラチーズに始まり、エビ、アンチョビなどのシーフード、そしてキノコの豊潤な香り、
牡蠣にいたっては生ではないが、食感は生牡蠣のよう、しかしスモークされて、より濃厚な味に変化している。
一品、一品ごとに驚きを感じながら、あの有名なメインのガリシア牛・ステーキへ。
最後のデザートのアイスクリームにまで、香り付に火が入る。
2012年だったと思うが、今は亡きフランス料理界の巨匠ジョエル・ロブション氏から、
バスクにとても素晴らしいレストランがあるので是非行ってみて下さい。と教えてもらい
その後、すぐに訪れたが、その時の感動がまた、よみがえってきた素晴らしい料理!
バスク地方には他にもたくさんの有名レストランがあるが、星がいくつなど関係なく、
是非一度は足を運んでいただきたいレストランの1軒だ。
さらにバスク食の旅は続く。
– Travel Designer 沼能 功