2021年3月26日
アマンが日本にやってくる
その情報を耳にしたときから、いつか泊まってみたいと思っていたアマネムにようやく宿泊できる機会を得ました。以前にアマネムに関するレクチャーを受けていて、資料や動画などでアマネムが素晴らしいホテルであることは知っていましたが、実際に訪れ、宿泊をしたことで気づくことがたくさんありました。
●賢島駅からの送迎
朝、東京駅から新幹線で名古屋駅へ、近鉄の観光特急「しまかぜ」に乗り換えて賢島へ。しまかぜは観光特急と呼ばれるだけあって大きな窓から景色を楽しめ、ゆったりした高級感あるシートは座り心地も抜群。今回は個室予約ができたので、周りを気にすることなく会話も楽しめ、近鉄名古屋駅から賢島駅までの約2時間の列車の旅はあっという間でした。
賢島駅の改札は1つ。改札のところでは送迎車のドライバーが「AMANEMU」のボードを持って待っていてくれます。駐車場には高級車LEXUS車が!車内にはお水とおしぼりが用意されていて、賢島駅からアマネムのサービスを実感できます。駅からホテルまでの約20分間、車内のモニターでは様々な国のアマンホテルが紹介されていて、それをみているだけでこれから訪れるアマネムへの期待が高まりました。
●チェックイン
到着するのは「パヴィリオン」と呼ばれる建物。ここでチェックイン手続きをします。向こうには日本の伝統的な家屋をイメージした客室やレストランなどの建物と英虞湾の輝く海がみえ、この風景をみているだけで心が軽くなるのを感じます。
ここから客室まではカートで移動。ホテルの敷地は東京ドーム5つ分と広大なので、滞在中はカート利用と散策を織り交ぜながら移動されるのがおすすめです。電話をするとすぐに迎えてに来てくれます。
私たちはチェックインの前にホテル内の施設見学へ。
カートで案内をしてもらいながらまず感じたのは案内看板の小ささ。これでは迷う方もいるのでは??と質問したところ、なんと、最初は案内看板もなかったそうです。移動はカートがメインだからかと思いましたが、違いました。
アマネムは自分の家に帰ってきたかのようにリラックスして過ごしてほしいというコンセプトが基本だったそうです。家の敷地には案内板などありません。だから、案内看板は作らなかったそうです。とはいえ、予想以上に歩いて移動される方が多かったので、後から案内看板を作ったそうです。その際も、できる限り小さく、自然と調和するようにデザインされたそうです。
また、伊勢志摩国立公園内に建つアマネムでは、建築に際して木1本もたりとも伐採していないそうです。1本も??とまたまた質問をしますと、もともと育っていた木は伐採ではなく移動をさせており、植樹をしているので公園内の木は増えているとのこと。移動した木は添え木がされているそうで、注意してみていると、あちこちでみかけます。こんなにたくさんの木々を移動し、自然を大切に守っていることを実感します。
●客室
アマネムはベッドルームとリビングルームが一体となったスイートと2ベッドルームのヴィラ、大きく2つのタイプに分かれます。スイート、ヴィラのそれぞれは造りは同じで、眺めの違いから、さらに「モリ」「ソラ」「ナギ」の3つの部屋タイプに分かれます。今回はモリスイート、ソラスイート、ナギスイートを見学し、眺めの違いを実際に見てきました。
広い敷地の中にスイートの客室は24室。各客室は99平方メートルの広さがあるところ、伊勢神宮の神明造をイメージした高い天井はより広く感じさせてくれます。大きな窓はすべてしまうことができ、反対側の窓も開けると部屋の中を風が抜けてとても気持ちよく過ごせます。大きな窓なのに女性でも楽々と開け閉めができるのは特殊な技術が使われているそうです。
客室内には天然温泉がひかれているのでプライベートに温泉を楽しめます。温泉は60度の熱さがあるため、入りたい時間から逆算して2~3時間前にためて自然に冷めるのを待つと、天然温泉100%の湯を楽しめます。トロっとした湯触りは温泉そのもの。石造りの大きな湯舟で手足を伸ばしていると、思わず「気持ちいい~」の言葉が口を突いて出てきます。すぐにお風呂に入りたいときは水を入れてちょうどよい温度にすることができますが、せっかくなら温泉100%をお楽しみください。
シャワーコーナーもあるので、髪や体を洗うのはこちらで。シンクは2つあり便利です。
エスプレッソマシーンや紅茶、緑茶のティーバッグが置かれているので、お部屋で、テラスで、寛ぎの時間は何度も訪れてくれます。さらにターンダウン時に追加をしてくれるので、翌日まで十分に楽しめます。お茶のおとものアオサの割れ煎餅「アオサわれ」はクセになるおいしさ。もともとは地元のお煎餅屋さんで購入できたそうですが、今はお店をたたんでしまっているそうです。お土産に買いたかったな、、、説明を受けながらつぶやくと。お客様から同様の声が多かったそうで、ホテルでお土産用に用意があるそうです。アオサわれにはまった方はぜひスタッフにご希望をお伝えください。
続いて、各客室からの眺めの違いを紹介します。
モリスイート:緑豊かな木々の美しさを楽しめます。
ソラスイート:芝生の緑と合わせて英虞湾を少し望めます。
ナギスイート:絶景の英虞湾を一面に望めます。
●ラウンジでのアフタヌーンティー
14時半~16時半の間、ラウンジでのティータイムを楽しめます(無料)。以前はケーキや焼き菓子などのスイーツが並ぶスタイルでしたが、今は、4つの和菓子の中から1つを選び、本日のスイーツが2つと合わせて合計3つのスイーツと、好みのドリンクを楽しむスタイルとなっています。明るく開放的な室内とあわせて、屋外のテラス席やソファー席もあり、チェックイン前後の時間を思い思いの場所で過ごせます。
●サーマルスプリング
アマネムの楽しみのひとつがサーマルスプリング、水着で楽しむ天然温泉。日中は広い空のもと、夜はロマンティックな雰囲気に包まれて、リラックスできる屋外温浴施設です。温度が異なる2つの温泉で温冷浴することで代謝を促し、心身ともにリフレッシュします。客室の天然風呂とはまた違った、解放的な気分で温泉を楽しめます。
●プール
屋外プールのため季節的に残念ながら利用はできませんでしたが、英虞湾と空の「青」の間に身をゆだねるインフィニティプールは、浮かんでいるだけで気持ちよさそうだとイメージができました。プールは東側にあるため、風のない日は、朝日と庭の木々が鏡のように水面に映りこみ、幻想的な景色になるそうです。晴れた日はぜひ早起きをしてプールサイドでの朝日鑑賞がおすすめです。
●夕食
予約した時間に合わせてレストランへ行くと、すでに何組かのお客様がお食事を楽しまれていました。アマネムでは、最高級の松阪牛や水揚げされたばかりの新鮮な魚介類、みずみずしい野菜や果物など、四季折々の旬の食材をふんだんに用いた日本料理をお楽しみいただけます。今回は様々な食材を少しずつ楽しめる箱御膳の特別アレンジでしたが、どの料理も美味しく、伊勢の味を堪能しました。おなかがいっぱいでもデザートのほうじ茶パンナコッタまでしっかりいただきました。
土鍋で炊いたご飯は食べきれないときはおにぎりにして包んでくれます。
●朝食
レストランは1つなので夕食と同じ場所でですが、朝はまた雰囲気がかわり、英虞湾に浮かぶ真珠筏や季節ごとに彩りを変える森を見渡すことができます。朝食は和食2種(土鍋ごはんまたは御粥)と洋食から選べます。今回は土鍋ご飯の朝食にしました。
最初に運ばれてくるみかんジュースは濃厚で自然の甘さを楽しめます。
料理はあとからあとから運ばれてきて、あっという間に目の前にご馳走が並びました。土鍋で炊いたご飯はつやつやしていて、ふっくらと甘さを感じる美味しさ。英虞湾の魚や豆腐などのおかずとともに、伊勢志摩の美味を堪能しました。
●感想
アマネムに宿泊して感じたのはその自然の素晴らしさです。鳥の声、風の音しか聞こえない時間、空間に、心からリラックスができました。実際に行ってみなければわからないことでした。
客室内で天然温泉を楽しめることのよさも実感できました。石風呂は冷めにくいのでゆっくり浸かっていられます。窓を開ければ半露天風呂にも。風を感じながらのプライベート温泉を楽しめます。
15時のチェックインから12時のチェックアウトまで、ゆっくりと寛げる日本ならではのおもてなしがあふれたリゾートでした。東京から新幹線としまかぜ(おすすめです)で約4時間。週末のリフレッシュ旅にお勧めのアマネムです。
帰路、伊勢神宮で日本の安寧を祈願して東京に戻りました。